親ガチャに関する論文まとめ｜若者の流行を考察する調査結果あり

｢親ガチャ｣という言葉が、今後定着していくのか、消えていくのかは現時点では
分からない。しかし、筆者はこの用語自体を「経済格差や社会格差を指すだけの言
葉」ではなく、ソシャゲを通じて｢若者の中に芽生えてきた新種のスピリチュアリテ
ィを指す言葉｣とみなすことができると考えている。
もちろん、今回の研究結果は、L と N への聞き取りを中心とし、アンケート調査、
他の対象らへの聞き取りから得た仮説の 1 つに過ぎず、これをもって一般化するこ
とはできない。
しかし、今回の調査結果を見ると、ソーシャルゲームから｢親ガチャ｣という言葉
が生まれ、そこから精神世界とは異なる｢サブカルチャー出自のスピリチュアリテ
ィ｣が創出されつつあるとまでは言っても良いのではないだろうか。

東北大学生の生活と意識に関する調査（小川和孝）

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出典元：東北大学

以下一部抜粋

SES の不平等という課題が広く浸透してきている可能性が示唆されている、そういった課
題に関心がもたれる社会になりつつあるということを確認したいのだ。
もちろん、親ガチャという記事が取り上げられたことをもって、そのまま出身 SES によ
る不平等の浸透を証明することはできない。しかし、近年の傾向として、この不平等が認
知され始めているということは言えるだろう。

英語格差を生む「英語」の文化資本的価値（山村真由美）

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出典元：愛知県立大学

以下一部抜粋

本論は格差軽減の一助となる考察を導くことを目的としたものである。「英
語」は「早期教育」が求められ、「早期」である以上子どもの低年齢化が条件
になる。そのため「親ガチャ」的な親の意向、態度、文化、家庭背景という資
本効果が顕著に表れる。個人の能力を超えた、親次第となる教育戦略に依存す
る世界だ。そのような教育戦略により生じる不平等性に問題提起をし、母親が
使う教育戦略として、「身体化された」文化資本（Bourdieu、1979=1986）の概
念を用いた。それは最も獲得が難しく時間のかかる、幼少期より家庭の質が反
映される文化資本であり、特にその代表と考えられる英語とピアノを比較し、
問題点を検討した。「早ければ早いほど」「自然に」身につくという言説に押さ
れ、英語は幼児期からの親の投資が獲得に繋がっている面がある。